理容室と美容室の違いとは？自分に合ったお店の選び方

理容室と美容室、法的な違いとそれぞれの役割

理容室と美容室の最も大きな違いは、理容師法と美容師法という法律によって定められている業務範囲です。

理容師は、「頭髪の刈り込み、顔そり等の方法により容姿を整えること」を業務としています。つまり、理容師はカミソリを使ったシェービング（顔そり）が legally認められています。昔ながらの理容室（床屋）で、髪を整えた後に顔そりや耳掃除をしてもらうのは、この法律に基づいています。男性のヘアスタイルを整えることに特化した技術やサービスが発達してきた背景には、こうした法律上の定義があります。

一方、美容師は、「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること」を業務としています。理容師とは異なり、カミソリを使った顔そりは原則としてできません。美容師の仕事は、髪を切るだけでなく、パーマやカラー、メイクアップ、セットなど、より広い範囲で「美しくする」ことに焦点を当てています。美容室が、流行のヘアスタイルやメイク、トータルビューティーを追求する場所として発展してきたのは、この美容師法の定義が大きく関係しています。

理容室のメリット・デメリット

メリット

• シェービング（顔そり）サービスがある: これが理容室の最大の強みです。顔の産毛を剃ることで肌のトーンが明るくなり、化粧水の浸透も良くなります。
• 男性向けのサービスが充実: 男性特有の髪質や骨格を考慮したカット技術、ヘッドスパ、頭皮ケアなど、男性が通いやすいメニューが豊富です。
• 短時間で済むことが多い: スピーディにカットを済ませたいビジネスマンなどに適しています。

デメリット

• 女性向けメニューが少ない: パーマやカラー、ヘアセットなどのバリエーションは美容室に比べて少ない傾向にあります。
• 流行のスタイルに疎い場合も: 昔ながらの理容室は、流行のヘアスタイルよりも「きちんと整える」ことに重点を置くことが多いです。

美容室のメリット・デメリット

メリット

• トレンドに強い: 常に最新のトレンドや技術を取り入れており、雑誌に載っているようなおしゃれなスタイルに挑戦できます。
• メニューが豊富: カット、カラー、パーマ、トリートメント、ヘアセット、ヘッドスパなど、髪全体を美しくするためのメニューが充実しています。
• リラックスできる空間: アロマの香りが漂う空間やカフェのような内装など、リラックスできる雰囲気作りを大切にしているお店が多いです。

デメリット

• シェービングサービスがない: 法律上、カミソリを使った顔そりサービスは受けられません。
• 男性にとっては少し敷居が高い: 流行を追う女性客が中心の美容室では、男性が入りにくいと感じる場合もあります。

自分に合ったお店を選ぶための3つのポイント

（※イメージ画像）

理容室と美容室、それぞれの特徴を踏まえた上で、自分に合ったお店を選ぶためのポイントを紹介します。

1. 目的で選ぶ:

• 「身だしなみを整えたい」「短時間でカットしたい」 → 理容室がおすすめです。特に、顔そりや頭皮ケアをしたい男性は理容室一択でしょう。
• 「流行のスタイルにしたい」「パーマやカラーをしたい」 → 美容室がおすすめです。トレンドを取り入れたい、髪の悩みを相談したい女性は美容室がぴったりです。

2. 雰囲気で選ぶ:

• 落ち着いていて、ゆっくりと過ごしたいなら、リラックスできる空間作りに力を入れている美容室が良いでしょう。
• 昔ながらの理容室の雰囲気が好きな方や、気兼ねなく通えるお店を探している方は、アットホームな理容室が合っているかもしれません。

3. 担当者の得意分野で選ぶ: 美容室や理容室には、それぞれ得意なスタイルがあります。ショートカットが得意な美容師、メンズスタイル専門の理容師など、お店のホームページやSNSで担当者の得意分野を事前にチェックしておくと、失敗が少なくなります。

理容室と美容室、進化するそれぞれのサービス

最近では、理容室と美容室の垣根が低くなってきています。たとえば、理容室でも女性向けシェービングやエステメニューを提供するお店が増えてきました。また、男性向けの美容室も増え、より専門的なメンズカットや頭皮ケアメニューが充実しています。どちらの店舗も、お客様のニーズに合わせてサービスを多様化させているのです。

最終的には、法律上の定義よりも、「自分がどんなスタイルになりたいか」「どんなサービスを受けたいか」 を基準にお店を選ぶことが大切です。この記事を参考に、あなたにとって最適なサロンを見つけて、理想のスタイルを手に入れてください。